【一般NISA】定期積立は米国株ETFより投資信託をおすすめする理由

一般NISAを使用予定で、定期積立で米国株ETFか投資信託のどちらにしようか迷っている方向けの話です。

一般NISAの年間投資可能額120万円を、定期積立での資産運用を考えている方の参考になればと思います。

一般NISAとは年120万円、5年で最大600万円が非課税で運用できる制度です。年120万円の枠は5年間運用でき、ロールオーバーすれば+5年で10年間非課税で運用できる(※)ため、長期投資でおすすめできる制度となっています。

※新NISAが2024年度から開始しますが、2024年度からの新規投資分は最大5年間のみ非課税で運用できます。新NISA制度が2028年度までなので、2024年度からの新規投資分はロールオーバーできないの現状です。

長期積立投資で一般NISAを使用する場合は米国株ETFより投資信託をおすすめします。

私は一般NISAを2021年から開始し、定期積立で、S&P500に連動した米国株ETF(VOO)と投資信託(eMAXIS Slim米国株式)のどちらにするか迷っていました。

色々調べていく中で投資信託を選びましたが、その理由を踏まえて投資信託をおすすめする理由を解説します。

1.配当金の再投資効果

長期間定期的に積み立てて資産を拡大させるためには、配当金を再投資し投資効率を上げていく必要があります。長期で運用すれば、複利の力で収益に大きな差が出てきます

この配当金の処理方法が米国株ETFと投資信託で異なります。

ここで具体例として、VOOとeMAXIS Slim米国株式との比較を紹介します。

・VOO⇒バンガード社が提供するS&P500指数に連動した運用を目指すETF(※上場投資信託)

※上場投資信託…株式のようにリアルタイムで売買できる投資信託

・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)⇒三菱UFJ国際投信が提供するS&P500指数に連動した運用を目指す投資信託

どちらもS&P500指数に連動した運用を目指す商品となっています。以下に配当金再投資について比較表をまとめました。(表1)

項目ETF(VOO)投資信託(eMAXIS Slim米国株式)
個人への配当金の有無
(配当金には米国税10%)
配当金の再投資個人で行う自動で行われる
表1

個人への配当金の有無

まず、配当金の有無についてです。

米国株に投資する場合NISAでは日本での税(約20%)は非課税となりますが、米国の税(10%)は納付する必要があります。NISAは外国税額控除(※)が利用できないため、米国の10%の税は引かれてしまうことになります。

ETFでは個人に配当金が分配されます。この配当金に上記の米国税が課税されます。

※外国税額控除…外国株の投資収益において現地(外国)で1度課税され、さらに日本でも課税されることで2重課税になる。これを確定申告することで控除できる制度。

一方で投資信託は個人への配当金がありません。

ちなみに投資信託の配当金にも米国税はかかっており、税引き後の配当金を再投資にまわしています。日本の税は売却時に課税されるのですが再投資時には課税されないようです。

配当金の再投資

次に配当金の再投資についてです。

まずETFでは個人で行う必要があります。配当金が少額の場合は、ある程度たまってからでないと再投資できないため効率が悪くなります。

例えばVOOの場合は1株383ドル(2021.4.28時点)なので、1ドル=108円とすると4万1364円必要になります。

VOOの配当金は3か月に1回0.3%程度の配当金が支払われますが、投資元本が100万円とすると、100万円×0.0027=2700円となります。(米国税10%考慮)

VOOは1株あたり4万円なので、単純に割っても14回分以上貯まらないと(3年以上経過しないと)再投資できないことになります。投資元本が1400万円近く(4万円÷(0.3×0.9)%)あれば1回で再投資可能ですが、投資初期は元本も小さくNISA枠の上限もあるため、再投資できず投資効率が落ちることになります。

また、配当金の再投資はNISA枠を使用してしまうため、投資枠を超えた分は課税されることに注意が必要です。

一方でeMAXIS Slim米国株式(投資信託)では、配当金を個人に分配せず再投資にまわしており、投資元本が大きいため投資初期でも再投資が可能です。(数千億の純資産)

また、再投資は自動で行ってもらえるので、手間もなく再投資し忘れることもありません。長期的に積み立てて運用していくことを考えると、機械的に継続できる投資信託がETFよりおすすめできます。

以上をまとめると

・ETFは個人へ配当金が支給され配当金に外国税がかかる+投資額が小さいうちは長期間再投資できない
→投資効率が悪い
・ETFは再投資は個人で行う必要があり、手間がかかる
→長期で続けるには面倒
・投資信託は配当金が初期のうちから自動で再投資され、手間がなく機械的に継続可能

です。

2.投資枠をMAX使用できる

非課税NISAの投資枠120万円をなるべく投資枠いっぱいで使用したいですよね。

ETFと投資信託では購入単価が異なるため、使える投資枠が違います。

ここで具体例として、先ほどと同様にVOOとeMAXIS Slim米国株式を例にあげます。

項目ETF(VOO)投資信託(eMAXIS Slim米国株式)
購入単価1株100円以上1円単位
使用できる投資枠上限ギリギリまでMAX可能
表2

上記表2のとおり、VOOでは1株単位の購入となります。1株383ドル(2021.4.28時点)で、1ドル=108円とすると4万1364円が1株あたりの価格となります。

仮に1株あたりの価格が積立期間中同じとすれば、120万円÷4万1364円=約29株買えることになり、120万円ー(4万1364×29株)=444円分投資枠を使えないことになります。計算簡略化のため為替手数料等は無視してます。

一方でeMAXIS Slim米国株式(投資信託)では、100円単位から積立可能で非課税投資枠いっぱいまで投資することが可能です。

たかが500円程度の差を大きいとみるか小さいとみるかは個人次第ですが、少なくとも長期運用を考えているのであれば複利の力を忘れないことが重要だと思います。

以上をまとめると

・購入単価が1株のETFでは投資枠MAX使用することが難しい
・投資信託であれば100円からの購入になるので、投資枠120万円をMAX使用できる

です。

3.楽天証券を使用すれば楽天ポイントが1%付与される

定期積立をする場合、投資信託は積立設定が可能であり特に手間もなく使い勝手がいいです。

一方で、ETFは個人でリアルタイムで売買できるものであり、積立設定ができない証券会社が多いです。

例外として、SBI証券では米国株ETFの定期買い付けが可能です。

リャマ君
リャマ君

えっ?それなら、ETFも手間がかからないんじゃない?

ETFの方がいいのでは?

ここで忘れてはいけないことがあります。

ETFで定期積立する場合でも、配当金再投資の手間は発生し、投資枠をMAX使用することは難しいので最善とは言えません。

また、1株当たりの購入になるので、例えばVOOの場合では毎月10万円の投資枠で2株程度しか購入できず、ドルコスト平均法(※)の効果も薄れます。(相場が良くも悪くも購入株数が少量でありほとんど変わらないため)

※ドルコスト平均法…定期的に定額購入する投資手法。相場が悪いときには少なく、低いときにはたくさん購入することで平均購入単価を下げることが可能。

一方、投資信託であれば定期積立の手間がないことに加えて、楽天証券を使用することで年間6000円分のポイントがゲットできます

楽天カードのクレジットカード決済を使用すると、毎月5万円分まで1%のポイントが付与されます。つまり毎月500円分ポイントが得られ、12か月で6000円分のポイントが得られます。

楽天クレジットカード決済に興味のあるかたはこちらのリンクを参照ください。

また、楽天証券で投資信託を積立てするメリットはもう一つあります。

楽天をよく利用する人であればおなじみのSPUポイントが+1倍になります。詳細については以下を参照ください。

私の場合は毎月の投資枠10万円のうち、毎月5万円分をクレジットカード決済にし、残り5万円分のうち1円をポイント・4万9999円を証券口座より購入することで、SPUを+1倍にしています。

以上は楽天ユーザーのみのメリットとなりますが、120万円分投資して年利0.5%(6000円)が約束されていると考えるとかなりお得だと思います。

楽天ユーザーでない方は、楽天を使用するメリットはたくさんあるので、楽天ユーザーになることをおススメします。(たくさんのメリットについてはここでは割愛させていただきます)

以上をまとめると、

・定期積立はETFでも可能だが再投資に手間が発生し、ドルコスト平均法の効果も薄れるため最善とはいえない
・投資信託であれば手間もなく、楽天証券を使用すれば年間6000円分のポイントが得られる

です。

まとめ

以上、一般NISAで定期積立する場合に米国株ETFより投資信託をおすすめする理由を紹介しました。

ETFや投資信託で話題になる信託報酬や運用益やその他手数料については、話が広がってしまうので今回は割愛しました。

詳しく知りたい方は【投資塾】さんの動画でETFと投資信託を比較したものがあるので参考になるかと思います。前編と後編があるので、ぜひ両方ご覧ください。

結論としては、ETFも投資信託も運用益はほとんど変わらないという結果でした。

条件等で変わってきますが、運用益がほとんど変わらないのであれば、手間が少ない投資信託がおすすめです。

今回はVOOとeMAXIS Slim米国株式を例に挙げて解説しましたが、対象の米国株や投資信託が違う場合でも、上記にあげた理由はほとんど変わらないと思います。

投資信託が手間もなく長期積立投資には向いています。

次のステップとして、どの投資信託にするかについては、またの機会に紹介できればと思います。

今回紹介した内容が、少しでも迷っている方の役に立てれば幸いです。

それではまた!

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