【失敗談】ドル建て保険は早期解約をおすすめします。

昨今話題になっている貯蓄型のドル建て保険について、もう契約してしまって解約すべきかどうか迷っている方向けの話です。

早期解約で元本割れがもったいないと考え、なかなか踏ん切りがつかない方の参考になればと思います。

入社したての頃何も分からずに保険会社のおばさんやお姉さんの言われるがまま契約してしまった方も多いかと思います。

私もその中の一人です(笑)。

当時は自分なりに考えて納得して契約しましたが、他の選択肢を知らないと損をすることが勉強になりました。

結論、解約をおすすめします。

以下その理由を私のケースを参考に解説していきます。

解約すべき理由

『保険は投資でもなく貯蓄でもない、保険は保険』

この考え方は両学長さんがYouTubeで教えてくれたものです。

この方は本当に分かりやすく、お金のことについて教えて下さり、大変勉強になってます。以下に両学長さんのYouTubeリンクを貼っておきます。これをみればほとんど解決するかもしれません。

両学長さんの言葉を借りると、貯蓄型保険は保険なので、保障額が中途半端な割高な生命保険に加入してしまったと諦めるしかないです。

保険を投資や貯蓄だと考えてしまうことが、話をややこしくさせ、混乱してしまう原因になります。

保険は保険、投資は投資、貯蓄は貯蓄です。

私の場合、当時この考え方はなく、

ドル建て保険は貯蓄と保険のいいとこ取りだと考えていました。

私はドル建て保険に年間約95万円近く払い込んでいました。具体的には以下の2つです。

  • メットライフ生命 積立利率変動型終身保険(米国通過建2002) 年間約30万円 
  • プルデンシャル生命 米国ドル建リタイアメント・インカム 年間約65万円 

どちらも15年ほど払い込んでようやく元本が保証されますが、3年程度で解約しました。

当時これらの保険を契約した理由は3つです。

  1. 自分が万が一亡くなったとき、親に今まで育ててきてくれた分のお金を少しでも返したい
  2. 生命保険控除の節税効果に期待
  3. 投資は怖いし、長い間銀行に預けるより金利がよい

今振り返ってみると、どれも間違いでした。

掛け捨て保険で十分

まず1つ目の『自分が万が一亡くなったとき、親に今まで育ててきてくれた分のお金を少しでも返したい』については、死亡保障をつけたいのであれば掛け捨ての保険にするべきでした。月1000円程度で、同程度の保障が得られます。そもそも、そこまでの保険が必要なのかという問題は別の機会に。

節税効果が不十分

2つ目の『生命保険控除の節税効果に期待』については、節税にはなりますが、利回りでみるとそれほど良い投資ではないです。

ここで私のケースで考えてみます。

生命保険料控除額は年間の支払い保険料によって異なりますが、年間支払い保険料が8万円を超えるため限度額となり、

  • 所得税について⇒仮に所得税率20%だとすると4万円×0.2=8000円の節税
  • 住民税について⇒仮に住民税率10%だとすると2.8万円×0.1=2800円の節税

合計毎年1.1万円程度の節税となります。

これをIRR関数(※)を用いて複利を計算するとこうなります。

計算を簡略化するため、所得は一定(節税効果は一定)、1ドル=100円で一定、60歳まで働き全額引き出す場合を想定してます。この表によると約1.5%~1.7%にしかならないことが分かります。

※IRR関数とは簡単に利回りを計算することができるもので、IRR=(範囲,0)の”範囲”をキャッシュフローの列に指定するだけで利回りが計算できます。

IRR関数と節税効果についても両学長さんが分かりやすく解説してくれています。ご参考に。

複利の効果を考える

3つ目の『投資は怖いし、長い間銀行に預けるより金利がよい』については、確かに銀行よりは利率は良いですが、15年ほど払い込み続けてやっと元本保障になります。その間は資金が拘束されてしまいます。

仮に34年間払い続け60歳で引き出すとすると、上記の表を参考にすると利率は1.7%程度です。

また、投資は怖いものと考えてしまった原因は良く知らないことからくるものでした。長期でインデックス投資すれば、平均で4%~7%の利回りが期待できます。仮に最低の4%で月7万5940円(=91万1280円※/12か月)を積立て、34年間運用した場合には

※91万1280円=26万4000+33万480+31万6800

楽天証券 積立かんたんシミュレーションより

6578万円にもなります。さきほどのIRR関数の表の合計額3370万円と比較すると、資産が倍近くになります。

これが複利の効果です。

たかが数%の利回りの差でも、長期で運用する場合には馬鹿にならないことが分かります。

以上をまとめると、

保険は保険、投資は投資、貯蓄は貯蓄。割高な生命保険を契約したと受け入れる
・保険としては不十分であり、掛け捨て保険で十分代替可能
・節税効果を加味しても、長期的な利回り約2%程度にしかならない
・複利の効果を考えるならば、株式投資の方が断然お得

上記の理由により私は解約を決めました。解約すると決めたとき、私の場合は6割程度返ってくることが分かりました。3年で約270万円払い込み、返ってくるのは約160万円です。

3年で90万円、つまり年間30万円で死亡保障約2600万円の保険に入っていたことになります、、、。

つらいですね、、、。

早く気づけて良かったと考えるしかないですね!誰にでも失敗はありますから!

さて次は、この160万円をどうするかです。

払い済みにする?それとも解約?

いざ解約を決めて保険担当者に連絡すると、払い済みにしませんかと聞かれます。私もそうでした。

払い済み保険とは、本来返ってくるはずの解約返戻金をもとに新しい保険を契約しなおし、少しの保障額がついた状態で保障を延長させるものです。保険料の支払いが不要になり、保障が継続できます。

私のケースを紹介すると

  • メットライフ生命 積立利率変動型終身保険(米国通過建2002) 保障額1000万→205万
  • プルデンシャル生命 米国ドル建リタイアメント・インカム 保障額1600万→260万

となり、保障額が減額されていることが分かります。

払い済みにしておいて、年利2~3%で運用してもらいながら、保障も多少ついてくる。

また心を揺さぶられます(笑)。

さてどうするか。

結論、明確な投資対象があるなら、解約をおすすめします。

ないならば、2~3%で運用してもらいながら時期が来たタイミングで解約すればいいかと思います。

私は現在払い済みにしています。

なぜならば明確な投資対象が決まっていないからです。あとは高値つかみをなるべくしたくないという気持ちもあります。

考え方の一つとして、チャンスが来る時まで払い済みでもっておくこともありかもしれません。

仮に投資対象が見つかったとして利回り4%あるいは7%で運用した場合、どれくらいで元本を取り戻せるかシミュレーションしてみました。

払い込んだ保険料の合計が273万円(=91万×3年)、約6割が返戻されるとすると損失は109万円になります。

左の青列は返戻金164万円を運用した場合で、右の緑列が同額の保険料年91万円を毎月7万5940円で積み立てた場合です。合計の利息を赤列に示しており、税金20%を考慮したのが最右列となります。

損失分109万円と利息合計(税金考慮)の関係をグラフにしてみると

利回り4%だと約7年で損失分を上回り(グラフ青線)、利回り7%だと約4年半で損失分を上回ります(グラフ赤線)。つまり、利回り4%で約7年利回り7%で約4年半で元本が取り戻せることになります。

仮に保険を解約せずに元本が保障される15年まで払い続ける場合は、利息が0円ですが、

利回り4%で運用すれば324ー109=+215万円利回り7%で運用すれば654ー109=+545万円の収益となります。(3年で解約し、12年間運用)

早期解約のメリットが大きいですね。

結局は誰が何を言っても、自分が納得しないと意味がありません。

最終的にどうするかは自分で判断すべきだと思います。

今は情報がインターネットで簡単に手に入れられる時代なので、考えることを面倒だなどと思わず、知らないと結局は自分が損をするという教訓を胸に刻み、よく調査していこうと思います。

それではまた!

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